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社長訴えられますよ、職場のハラスメントで

とあるお菓子製造業のA社長から、「平良さん、うちの会社の女性社員が十二指腸潰瘍になって入院中なんだけど、こんな手紙がきているよ。」「なんでも、上司からのハラスメント(セクハラ・パワハラ)を受けたことが原因で病気になったと言っている。だから会社が責任を取ってほしいと...」「どうしたらいいのこれ?」と聞いてきました。
 以下、社長と私のやりとりです。
平良: 「社長、内容証明郵便ですね。 差し支えなければ中身を見せて下さい。」
社長: 「これって、問題になるのかな。社内でこんなことがあったなんて、知らなかったなぁ」
 
従業員の病気になった要因は、職場でのハラスメントによるのかどうか、その職場の上司や同僚にも確認を取りましょう

平良: 「その社員の方、どんな仕事を担当しているのですか?」
社長: 「この女性は商品開発をしているんだ。明るくてとても元気のいい社員だよ。」
平良: 「それで上司からは何と言われたのですか?」
社長: 「いや、それがわからないんだよ。」
平良: 「では、上司の方はいらっしゃいますか?事情を聞いてみたいのですが...」
社長: 「わかった、ここに呼ぶよ。」
平良: 「はじめまして、社会保険労務士の平良です。」
「あなたの部下から、上司の発言のせいで入院するはめになったと手紙がきています。何か心当たりはありませんか?」
上司: 「最近まで、その部下と一緒に新商品の開発に取り掛かっていました。今回の開発は何度もやり直して、とても苦労しました。」
平良: 「そうですか、ところでその女性社員とは何かあったのですか?」
上司: 「彼女はこれまでヒット商品の開発に関わってきた有能な社員です。それだけ有能な社員なら、商品の企画を担当させても大丈夫だろうと抜擢しました。
ですが、思いのほか苦戦して、新商品の企画を作ってはやめ、作ってはやめを繰り返していました。」

※実はこんなことがありました。
上司Aは、しわじわと部下の女性社員を追い込んでいました。
最初は優しげに肩に手をおいて励ましていましたが、女性社員は、とても嫌がっていました。
また、給湯室で「君のような優秀な女性にでも無理なのかな~」と何気なくプレッシャーを与えたり
ふたりきりでのプレッシャーは、女性社員にはこたえました。

◆最後に、ダメ押しの一言が...
「そこで私が、『君は子供を産んで育てたことが無いから商品を育てられないんだよ』と言いました。それから、彼女は私と話すことがなくなりました。」

これはセクハラとパワハラに該当する可能性大です。ハラスメントは、受けた側がハラスメントだと思ったら該当してしまうものなのです。
会社内でのハラスメントは、雇用管理上の問題として、会社が対応しなければいけません。加害者だけでなく、会社の責任を問われるケースもあります。
社長以下、全社員を上げてハラスメントの防止に努める必要があります。

平良: 「今の発言は、セクシャルハラスメントだけじゃなくて、パワーハラスメントにも当たると思われます。容姿や体型のことを言うのもいけませんが、結婚や出産のことで傷つけるような発言もいけないのです。また、仕事と直接関係ないことで、仕事の出来不出来を問うことが問題になります。」
上司: 「でも平良さん、その社員の仕事がにっちもさっちもいかない状態で、ただ考えているだけでは何も進まないのですよ。期限もせまっているし、今回の企画を待ちかねている社員に迷惑をかけているんです。他の社員からも苦情が出始めています。」
平良: 「だからといって、この発言はいけません。例えば、あなたの奥様がこういうことを言われたら、どう思いますか?セクハラというのは、女性の体に触れるとか、食事やデートにしつこく誘うことだけではないのです。また、容姿や体型のことを言うとか、ヌード写真を見せたり、猥褻なメールを送ることだけでもないのです。」
上司: 「・・・」
社長: 「これは当事者同士で解決できることなの? それとも会社も関係あるの?」
平良: 「会社にも関係があります。 何かしら対応措置が必要ですね。まずは、就業規則を見せて下さい。」

会社もそうですが、社員(労働者)を守るため、ハラスメント禁止規定を就業規則に定めておく必要があります。

社長: 「就業規則はあるけど、ハラスメント禁止規定や対応策まではないなぁ」
平良: 「社長、社員に対してハラスメント防止の研修とか社員教育を行っていますか?」
社長: 「いや、そこまではやってないね。」
平良: 「そうですね。今回の件は、女性社員の言い分も聞いた上で対応しますが、今後はこういうことが起きないように防止策を立てていきましょう。」
社長: 「こういうことが起きてしまった以上、防止策が必要だと思う。」
平良: 「ハラスメントを起こさない職場の環境作りが必要ですね。」
社長: 「これまでも今回のようなことがあったかもしれない。ただ騒動にならなかっただけかもしれない...」
平良: 「セクハラ、パワハラの相談は最近増えていて、社員を傷つけ大きなダメージを与えてしまいます。こんな環境で働くのがいやになり、やめていく社員も出てきます。会社にも悪影響がありますし、社長の責任まで問われてしまいます。実際に訴えられたケースもあるのですよ。」
社長: 「ハラスメントの防止策も必要だけど、社内の皆が相手のことを思いやる気持ちを忘れずに過ごすことが大切かもしれないな...」
平良: 「そういうことです。人それぞれ考え方や価値観が違うので、お互いに相手を理解するためのコミュニケーションが必要です。社員教育や研修で是非取り入れてみてはどうですか?」
社長: 「そうだね、早速やってみるか」

 今回、上司Aの発言が原因で入院してしまった社員については、本人の意向を聞いて対処することになります。ただ、女性ですからセクハラの場合、男性の社会保険労務士には相談しにくいかもしれません。ですので、防止策が絶対に必要です。
 また、上司Aに対しては、ハラスメント禁止規定があればそれに沿って対処しますが、今回は無かったため別の方法で対処します。
 今後、ハラスメントの問題が起きないように対策をたてていけば、未然に防ぐこともできるはずです。それと他の社員に迷惑がかかったり、対応のまずさによる会社への不信感を持たれることもありません。全て対処できるとは言えませんが、仕事や会社内外での出来事が原因でハラスメントが起きるのを避けることができたかもしれません。
 実は、会社内でハラスメントが起きてしまうと(当事者である)社員が困ることになりますが、一番困るのは社長自身です。社長は使用者責任を問われ、社員への対応、社会保険労務士や(裁判になった場合)弁護士などの専門家との打合せに時間をとられてしまいます。
 つまり、会社の業務どころではなく、業績が悪化しさらに心配事が増える可能性も高くなります。また、まじめに働く社員も不安がってしまいます。

 そんな社長の相談相手や会社内のトラブルを防ぐためのサポートや従業員が働くうえで、満足度を高めていくお手伝いをするのが社会保険労務士です。



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